茶道入門
06.茶席のお菓子
はじめに
現在制作中
❙茶席の御菓子 ~ 御菓子の意義 ~
茶道において御菓子は『お抹茶』を喫する前に出されるもので喫茶の前に御菓子を頂く事でお抹茶の苦みを和らげよりお抹茶を美味しくいただくために用意されるものです。
おいしさは当然ですが茶道においてはその御菓子が魅せる趣向や季節感も非常に重要な要素とされています。
ただ茶席の中には「花」や「銘」のついた道具もあるので重複することや御菓子を食するときに扱いにくく「バリバリ」音がするものを避けるなど考慮することも忘れてはなりません。
❙主菓子と干菓子 ~ ~
茶道で食す御菓子には大きく主菓子と干菓子に分類することができます。
正式なお茶事や茶会では主菓子が濃茶用、干菓子が薄茶用とされているが現代気軽に参加できる茶会や多くの人を招く大寄せの茶会などでは薄茶のみの提供が多くその場合は主菓子、または主菓子と干菓子の二種共が振舞われることが多い。
❙主菓子❙
主菓子とは生菓子や蒸菓子で餡を使ったものが中心。
正式な茶事では縁高に盛って供される。
❙干菓子❙
干菓子は名の通り生菓子に対して乾いた御菓子であり季節の風物を写実的に作ったものが多い。
茶会での干菓子は二種、三種を取り合わせ干菓子盆に盛りつけて供される。
茶事において主菓子は初座のあとに供され、干菓子は後座の薄茶席で供される。
❙御菓子の食べ方 ~ ~
茶道の場合、御菓子はお茶が供される前に食べ終わっておくのが基本です。
菓子器が運ばれてきたら菓子器を両手で取り、畳の縁外で自分と次の客人との間に菓子器を置き、軽く手をついてお辞儀をしながら「お先に」と挨拶します。
懐紙を取り出して「和(折り目)」が手前になるようにして、畳の縁内の膝前に置きそこに自分の分のお菓子を取ります。
御菓子を取るときは、左手を菓子器に添えお菓子の形を壊さないように、外側のお菓子から取るようにします。またその際には残りの御菓子の形がきれいにみえるように考慮することも大切です。
使った菓子箸は懐紙の端で「清めて(拭って)」から菓子器に戻します。
「主菓子」「干菓子」共に懐紙にのせたまま胸元の辺りまで持ち上げ、懐紙を左手にのせて頂きます。
❙主菓子の頂き方❙
菓子切(黒文字楊枝)を用いて食べやすい大きさに切って軽く刺して食べます。
お饅頭の場合は、菓子切りは使わず手で割って食べます。
❙干菓子の頂き方❙
干菓子は手を使って食べますが、煎餅など一口で口に入らないものは、懐紙の上で食べやすい大きさに割り食します。
干菓子の場合は一度に2種類用意されている場合も多く、その際には盛られた形を壊さないように手前から取り次客へまわします。また、万が一食べ切れない場合は懐紙に包んで持ち帰ります。
❙御菓子の歳時記 ~ ~
現在制作中
❙ 1月 / 睦月 ❙
主菓子
-
花びら餅・旭餅・重ね扇・此の花・松ヶ枝・松襲・松の雪
干菓子
-
干支煎餅・寿煎餅・七宝・ねじ梅・福梅・若松煎餅
❙ 2月 / 如月 ❙
主菓子
-
梅ヶ香・こぼれ梅・福は内・椿餅・雪間草
干菓子
-
絵馬煎餅・お多福・きつね面・ねじ梅・ねじ棒
❙ 3月 / 弥生 ❙
主菓子
-
青柳・草餅・早わらび・春の野・春の野きんとん・都の春・桃の里
干菓子
-
貝尽し・菜花の月・早蕨・蝶結び
❚ 4月 / 卯月 ❚
主菓子
-
桜花・京の山・胡蝶・桜餅・つつじ・花見団子・春の山・矢吹重
干菓子
-
桜花・蝶々・花筏・花兎・蕨
❚ 5月 / 皐月 ❚
主菓子
-
菖蒲饅頭・岩根のつつじ・柏餅・唐衣・花菖蒲・藤の花
干菓子
-
菖蒲・轡・竹流し・躑躅・結び松風
❚ 6月 / 水無月 ❚
主菓子
-
紫陽花・紫陽花きんとん・磯辺餅・卯の花・氷室・水牡丹
干菓子
-
芦煎餅・鮎・貝拾い・滝煎餅・撫子・水
❚ 7月 / 文月 ❚
主菓子
-
朝露きんとん・天の川・おりひめ・苔清水・玉清水・星の光
干菓子
-
鮎・糸巻・団扇煎餅・川瀬・撫子・弥さか煎餅
❚ 8月 / 葉月 ❚
主菓子
-
青瓢・月の雫・夏木立・波の花・葉月・水の面・水花火
干菓子
-
岩波・団扇・小菊・千鳥煎餅・ひさご・夕顔
❚ 9月 / 長月 ❚
主菓子
-
桂の月・桔梗餅・西湖の月・十五夜・月見団子・萩まんじゅう
干菓子
-
芋の葉・枝豆・桔梗・すすき煎餅・野菊・初雁煎餅
❚ 10月 / 神無月 ❚
主菓子
-
薄紅葉・秋明菊・竜田・万寿菊・みのりの秋・山づと
干菓子
-
銀杏煎餅・稲穂・稲穂煎餅・小菊・雀・鳴子・もみじ葉
❚ 11月 / 霜月 ❚
主菓子
-
織部饅頭・初しぐれ・初霜・晩秋・冬木立
干菓子
-
銀杏煎餅・枯松葉・しめじ・照葉・吹き寄せ・もみじ
❚ 12月 / 師走 ❚
主菓子
-
木枯し・試み餅・柴の雪・蕎麦薯蕷・雪餅・夜の雪
干菓子
-
うす氷・寒菊・笹の葉・雪華・雪輪