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茶道入門

03.茶道の季節

めに

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の季節  季節を楽しむ​ ~

『茶道』では「茶室」の空間において『季節』を感じ楽しもうという思考から下記の通り一年を「炉の時期(11月~4月)」と「風炉の時期(5月~10月)」の二つ分けて用いる「茶道具」や「点前」を替え、その季節を感じ「趣向」を楽しみます。

❙炉❙

[11月~4月]

『炉』の時期は冬の寒い時期にあたるため、「客人」の体感は当然のことながら視覚からも暖かくなるように席中の床に設けた『炉』に「釜」を懸け、「客人」に対し「釜」を近づけ「炭(炭火)」を見せます。

❙風炉❙

[5月~10月]

『風炉』の時期は暑い時期にあたるため、それまでの『炉』を塞ぎ『風炉(釜)』を用いることで「客人」に対して「炭(炭火)」を隠し体感からも視覚からも暑さを和らげます。

❙炉季節  11月 ― 4月​ ~

『茶道』において十一月は一年の中でもっとも大切な時期とされ『茶人のお正月』と言われています。

 『茶道』では毎年十一月のはじめには『炉開き』という行事が行われ、この日より「風炉の時期(5月~10月)」まで用いた「風炉」をしまい席中に設けた「炉」に掛けた釜を用い湯を沸かします。

 当然のことながら点前も変わり、道具においても「釜」は風炉用より大きい釜を使い、香合は主に陶器を用い、香は煉香を使うなど季節を感じる変更がおこなわれます。

❙炉❙

広義でいう『炉』とは火を燃やし加熱や溶解、焼却などをする設備や香などを焚く器のことをいい代表的なものに暖炉や焼却炉があげられる。

また古民家などにみられる「囲炉裏」も『炉』の一つである。

 『茶道』においては『茶室内』の一部の床を「一尺四寸(約42.5cm)」四方、深さ「一尺五寸(約45cm)」で切り取り、その中に「炉壇」を落とし入れ「灰」「五徳」を入れ「炭」を焚き用います。

 その昔『わび茶』を提唱した『[茶祖]村田珠光(1423-1502)』が初めて四畳半に『炉』を切り、その後『[茶人]武野紹鷗(1502-1555)』、『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』が『炉』の点前を定め、それまで『炉』の大きさが不確定であったが大きさも「一尺四寸(約42.5cm)」に定めたという。※床下に「炉」のスペースが無く「炉」がきれない場合は、「置炉」を用います。

❙炉壇❙

『炉壇』とは茶室内に切られた「炉」の中に落とし入れ用いる「炭櫃」のことをいい、その中に「灰」「五徳」を入れ「炭」を焚き「五徳」の上に釜を据え用います。

本来は木製の箱の壁面を土で塗った塗炉の「炭櫃」であるが「鉄製」「陶器」などもあり今日では火に強い「銅製」のものが多く用いられています。

❙炉縁❙

『炉縁』とは、「炉壇」の上にかける「木の枠」で寸法は「一尺四寸(42.4cm)」角、深さ(高さ)「二寸二分(6.7cm)」、素材は大きく分けて「木地」と「塗」の二つがあります。

 

一つ目の「木地」は一般的に小間席に用いられ、素材は「桐」「杉」「松」「梅」「桑」「桜」「柿」をはじめ「鉄刀木」「花梨」などの唐木から社寺などの古材まで今日ではさまざまな木材が用いられています。

※昔は『炉縁』は使用後に水で洗っていたので水に強い『沢栗』が用いられていたという。

 

もう一つの「塗」は一般的に広間席に用いられ「真塗」「溜塗」「掻合塗」「春慶塗」「青漆」などさまざまな技法が用いられていますが正式には「桧材真塗」とされています。

また「塗」には鮮やかな蒔絵技法が施されたものが多種あり「趣向」によりそれぞれ用います。

❙大炉❙

『大炉』とは極寒の二月に限り用いられる『炉』の一つで通常の『炉』より一回り大きく切られています。

 『大炉』の寸法については『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』の孫である『千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)』が陰陽五行説に則った「曲尺割法」を用い四方「一尺八寸(68.2cm)」と定めたという。

 配置については六畳間の茶室に「逆勝手」に四方「一尺八寸(68.2cm)」に切るのが約束となっており『大炉』内は向かって右手前寄りに「五徳」を置き「雪輪瓦」を立てて灰仕切りをします。

「炉壇」は聚楽土に墨を混ぜた鼠土で灰色に仕上げ、「炉縁」は「北山杉木地丸太」を用います。

❙風炉の季節​ ~ 5月 ― 10月 ~

毎年五月より、それまで「炉の季節(11月~4月)」に開いていた「炉」を畳で塞ぎ、「風炉」を用いて湯を沸かします。

 『[茶祖]村田珠光(1423-1502)』が初めて四畳半に『炉』を切り、その後『[茶人]武野紹鷗(1502-1555)』、『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』が『炉』の点前を定めるまでは四季を問わずすべての時季において「風炉」が用いられていました。

 当然のことながら点前も変わり、道具においても「釜」は小振りの風炉用を使い、香合は主に塗物、一閑、木地などを用い、香は香木を焚くなど季節を感じる変更がおこなわれます。

「風炉」の起源は、鎌倉時代(1185-1333)の初期に臨済宗の僧『南浦紹明(1235-1309)』が、仏具である「台子」などと共に中国から持ち帰ったと伝えられています。

また今日ではマンションや公営施設など火気使用の制限があるなどの理由から電気で湯を沸かす「電熱式」の『風炉』なども普及しています。

❙炉と風炉の違い​ ~ 視覚の工夫 ~

前項でも述べたように『茶道』において『季節』というのは非常に重要な事柄であり、また非常に楽しめる要素の一つとされています。

 「炉の季節(11月~4月)」「風炉の季節時期(5月~10月)」ともにその季節を感じるために道具の素材を替え、その道具に合わせた「点前」も変更、招いた「客人」の視覚からもその季節を楽しんでもらう工夫をしています。

 ここでは「炉の季節(11月~4月)」、「風炉の季節(5月~10月)」においての「違い」の一例をご紹介いたします。

注) 一例であり流派などにより差異が生じるため下の限りではありません。必ずご自身の流派の先生方へご確認ください

❙炉の時期❙

[時 期] 11月―4月

[ 釜 ] 炉釜

[竹蓋置] 上節

[香 合] 主に陶器

[ 香 ] 練香

❙風炉の時期❙

[時 期] 5月―10月

[ 釜 ] 風炉釜(切合風炉/朝鮮風炉etc)

[竹蓋置] 下上節

[香 合] 塗物/木地

[ 香 ] 香木

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